福島の今とエネルギーの未来

福島の今とエネルギーの未来

原発事故と甲状腺がん
〜声をあげはじめた当事者たち

3・11 甲状腺がん子ども基金代表理事崎山比早子 はじめに 東電福島原発事故により、甲状腺がんの原因となる放射性ヨウ素を含む放射能雲(プルーム)が東北、関東・甲信越一帯を汚染しました。チェルノブイリ原発事故で放射性ヨウ素により小児甲状線がん...
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知らせない、考えさせない――“減思力” の教訓

福島大学 共生システム理工学類 准教授後藤 忍 1.はじめに 日本政府による原子力・放射線に関する公的な教育・広報の内容は、国策である原発推進に偏った内容となっていました。いわゆる「原発の安全神話」も、偏った教育・広報によって広められていま...
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原発は気候変動対策にはならない

FoE Japan深草亜悠美 原発と気候変動対策 2020年10月、菅義偉首相(当時)は、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロ にする」という目標を打ち出した。日本政府は、原発は温室効果ガスの排出が他の電力源に比べ (201...
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終わらぬ核被害の本質を見つめる
――インタビュー:武藤類子さん

武藤類子さん1953年、福島県生まれ。福島県三春町在住。養護学校教員などを経て、2003年、里山喫茶「燦(きらら)」を開店するも、福島原発事故で閉店。2012年「福島原発告訴団」を設立し、東京電力の責任を問う活動を続けている。原発事故被害者...
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核燃料サイクルはすでに破綻

原発を動かすと使用済み核燃料が発生します。様々な放射性物質が大量に含まれており、たいへん危険です。 日本では、使用済み核燃料を「再処理」する計画です。「再処理」とは、使用済み核燃料を切断し、硝酸で溶かし、プルトニウムとウランを回収することで...
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電源別電力量と発電部門 CO2 排出量
原発ゼロでも CO2 は減少

日本の温室効果ガス排出は、2013年度をピークに、以降毎年減少しています。温室効果ガスの排出の多くは発電部門からのものですが、その発電部門からの排出についても、同様の傾向がみられます1。2012年から2014年にかけ、2年近くにわたって原発...
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原子力発電所の稼働状況
日本では 10 年以上「原発ゼロ」

福島第一原発事故前、原発は 54基ありました。事故後、東日本の原発はすべて停止しました。全国で再稼働した原発は10基ですが、東日本では「原発ゼロ」の状況がすでに10年以上続いています。総発電量に占める原発の割合は2020年で約4%にすぎませ...
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世界的な発電費用の推移

この10 年、エネルギーをめぐる世界の状況は劇的に変化しています。安い電気と言われていた原発は、今や最も高い電気。再生可能エネルギーによる発電量が増え、さらにコストも安くなっているのです。 投資会社ラザードが発表している電源別の発電コスト1...
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世界の原発の趨勢は?

IAEA(国際原子力機関)によると、世界に は439 基の原発があり、52基が建設中だ(2022年2月現在)。既存の原発は北米・西欧・アジアに多く位置しており、新規の多くはアジアで建設中である1。 世界原子力産業状況レポート2021年版2に...
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原発処理汚染水とは?

福島第一原発の敷地でタンクに貯められている処理汚染水(p.32)。1,000 基以上のタンクに、 126 万 m3 以上の水が貯められています。これは、東京ドーム1個分の容積とだいたい同じ量。デブリ(事故により溶け落ちた燃料が他の構造物と一...