IAEA(国際原子力機関)によると、世界に は439 基の原発があり、52基が建設中だ(2022年2月現在)。既存の原発は北米・西欧・アジアに多く位置しており、新規の多くはアジアで建設中である1。
世界原子力産業状況レポート2021年版2によ れば、1980年代後半頃から原発の新規稼働数 は世界的に停滞している。建設開始のピークは 1976 年の44 基だが、うち11基は後に中止された。原発による発電量は2012年から毎年増加しているものの、世界の総発電量に占める原発による発電の割合は減少傾向にあり、2020年は約10%であった。
近年、原発建設にかかる費用が膨れ上がり、建設期間も遅延を重ねるケースが多くなっている。2021 年7月時点で建設中の53基のうち、 31件で建設遅延がみられた3。
既存の原子力発電所の平均稼働年数は増加傾向にある。日本では運転期間は原則40年だが、国により原発の稼働年数に関する規則は異なる。現在稼働しているもしくは稼働可能な原発415基の平均稼働年数は30.9年で、89基が40年以上稼働している。そのうち6基は51年を超える超老朽原発だ。
原発の新設数が減少し、再生可能エネルギーの設備容量が増える中、世界の発電量に占める原発の割合は今後も減少していくとみられる。
1 IAEA PRIS, 2022 年2 月1 日閲覧
2 A Mycle Schneider Consulting Project, “The World Nuclear Industry Status Report 2021” September 2021
3 同上