<2019年度重大ニュース>甲状腺がん72%でリンパ節転移、47%で浸潤「長期にわたる検査を」

原発事故当時18歳以下で福島県県民健康調査で甲状腺がんと診断された人の大半の手術を執刀している福島県立医大の鈴木眞一教授が、2月3日、福島市内で開催された国際シンポジウムにおいて講演。2012年から2018年までに手術した180例の甲状腺がんについて、72%でリンパ節への転移が、47%で浸潤が⾒られたとし、経過観察が推奨される「超低リスク症例」は含まれていなかったことを報告した。また、手術した患者のうち6%が再発し、再手術したことも明らかにした。180人の男女比は1:1.7であり(うち2巡目は1:1.4、3巡目は1:0.7)、通常1:7~8で女性が多いとされる甲状腺がん患者の男女比より、男性が多い比率であった。鈴木教授は、「長期にわたる検査が必要」と述べた。

県民健康調査では、231人が甲状腺がんまたは疑いとされ、172人が手術している(2019年10月までの県発表による)。県民健康調査検討委員会では、「甲状腺がんの罹患統計などから推計される有病率に比べて数十倍高い」としているが、一方で「事故の影響は考えづらい」ともしている。

甲状腺がんの多発」参照

(「福島の今とエネルギーの未来2020」)

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