このたび、フォトジャーナリストの豊田直巳さんとともに、聖心女子大学にて写真展を企画しました。コロナ禍で多くの人が集まる形でのイベントが開催できない中、10年という節目に、写真を通じて、原発事故の被害を見つめなおす機会となればと考えています。Webページはこちら。
気候危機への対応も待ったなしです。原子力や化石燃料に頼らない、持続可能な社会への転換を、一緒に実現していけたらと願っています。ぜひ足を運んでいただけましたら幸いです。
■日時
2021年2月17日~4月28日(水) 月曜日~金曜日10:00~17:00
※聖心女子大学の展示室自体は2月17日からオープンしていますが、緊急事態宣言が解除されてからのご来場をおすすめしております。
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■会場
聖心女子大学4号館/聖心グローバルプラザ
東京都渋谷区広尾4-2-24(広尾駅4番出口から徒歩1分)
■挨拶(豊田直巳さんより)
昨年(2020年)も、北は青森県から南は静岡県の一部まで、というきわめて広範囲にわたって野生キノコの一部に出荷制限や摂食制限が掛かりました。長野県でも一部の山菜に出荷、摂食の制限が掛かっています。セシウムが100ベクレル/kgという「基準値」以上検出されたからです。
これが「フクシマ10年」の日本です。日本の全てではなくとも、日本に重い影を落としています。ただ、10年前の東京電力福島第一原発の爆発事故によって広範囲に撒き散らされた放射性物質が目に目ないように、日本の「重い影」は見ようとしなければ見えないのかもしれません。
だから私は写真を撮ってきました。何気なく通り過ぎる風景の中で、見過ごされる人びとの姿に、ちょっと足を止めて欲しいから。そのか細い声にほんの少し耳を傾けて欲しいから。そんな時間と空間と思いと関係の窓に、私の写真がなればいいな、と思いながら。
そう思って10年間「フクシマ」にレンズを向けてきて思うのは、写真は「いま」を切り取るものですが、切り取られた写真は、「未来への伝言」でもあるということ。ヒロシマ、ナガサキがいまも終わらないように、「フクシマ」は300年後の子どもたちに、日本の「負の歴史」として教科書にも載るでしょう。その子どもたちに向かっても、私は伝えたいのです。何が「起こっていたのか。どんな人びとの姿がそこにはあったのか」を。原発から漏洩されたセシウムも300年後には消えるでしょうから・・・・。
そして、私の写真をご覧になるあなたが、その歴史の同伴者になって下さればと願いながら。