福島の漁師たち

福島第一原発事故をめぐる15の証言

(12分31秒)

「やっぱ生業として継いだんだからよぉ、ずーと続いでもらいたいよ。海を守るのはやっぱり漁業者だべよ」と語ってくれたのは、福島県新地町で漁師を続けている小野春雄さん。

福島第一原発事故により、福島の漁業は大きな打撃をうけました。一時期は漁獲制限がかかり、漁業にでることもできました。その後、漁業者たちは、試験操業を行いつつ、独自に放射能測定を行うなど、信頼を回復する 努力を積み重ねてきました。漁業の復興に向けて一歩ずつ積み上げ、ようやく漁獲制限がすべて解除になった矢先に…。漁業者たちの言葉に苦悩がにじみます。

政府が、福島第一原発のサイトで増え続ける処理汚染水を、大気中もしくは海洋中に放出することが「現実的」という報告書をまとめたのです。

福島県漁業協同組合連合会の野崎会長は、「地元の海洋を利用し、その海洋に育まれた魚介類を漁獲することを生業としている観点から、海洋放出には断固反対であり、タンク等による厳重な陸上保管を求める」と強く反対しています。

「昔から獲ってきたのは魚です。その魚を本当に安心して食べれるような状況じゃなくなってしまったら、この子どもたちの将来はどうなるのと、だから(大熊町の住民で)自分の土地を使ってもいいよという人もいます。でも国はいっさい私たちの意見には耳を傾けません」熊町長議会議員の木幡ますみさんは語ります。

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