原子力発電所の稼働状況
    日本では 10 年以上「原発ゼロ」

    福島の今とエネルギーの未来

    福島第一原発事故前、原発は 54基ありました。事故後、東日本の原発はすべて停止しました。全国で再稼働した原発は10基ですが、東日本では「原発ゼロ」の状況がすでに10年以上続いています。総発電量に占める原発の割合は2020年で約4%にすぎません。

    原発事故後、原子力規制委員会が発足し、原発を再稼働させる場合、新規制基準に基づく原子力規制委員会の審査を受けることとなりました。2013年9月以来、ほぼ2年間、全国の原発がすべて停止しました。原発事故前は「原発がないと電気が足りなくなる」という宣伝がまかり通っていましたが、それが誤りであることがはからずも示された形となりました。

    その後、いったん再稼働した原発でも、テロ対策施設の建設の遅れ、裁判所による運転差し止め判断などで、運転停止を余儀なくされたものもあります。

    原子力規制委員会が新規制基準に合格したとした原発についても、再稼働は原子力業界が期待するほどには進んでいません。日本原電東海第二原発(茨城県)では、地元同意のめどがたっていません。東電柏崎刈羽原発(新潟県)では、核防護上の不祥事が重なり、再稼働手続きが凍結されました。原発は社会的にも技術的にも、安定した電源ではないのです。(関連記事 p.50)

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