
ロシアによるウクライナ侵攻後、欧米を中心にロシア産の化石燃料に対する禁輸措置を取る国が増えたことから、化石燃料価格、特に液化天然ガス(LNG)の価格が大きく高騰しました。海外の化石燃料に依存することで、国富の流出を招きエネルギー安全保障を損なうことが明白であるにもかかわらず、日本政府は化石燃料輸入に依存する政策を継続しています。2024年に再選したトランプ大統領は、2025年1月就任早々、前バイデン政権が打ち出したLNG輸出許可に対する一時停止措置を撤回。化石燃料開発をさらに推し進めるとしています。
ここで、投資会社ラザードが発表している電源別の発電コスト2024年版をみてみましょう1。
世界的なトレンドを見ると、原子力のコストが最も高く、2024年は2009年の49%増となっています。また、太陽光は同83%減、陸上風力は同65%減など、再生可能エネルギーのコストは減少しています。
ここでの発電コストは、均質化発電原価(LCOE)、すなわち発電所の建設費や運転・維持にかかるコスト等の総計を稼働期間中に発電する量で割った数値を用いています。
日本政府は、蓄電池などのコストを「統合コスト」として太陽光や風力のLCOEに上乗せし、結果的に原発より高くなると主張しています。しかし、統合コストの計算方法は確立しておらず、昨年のオーストラリアの国立研究所のレポート2では、統合コストを加えても再エネは原発よりもはるかに安いとしています。国際エネルギー機関(IEA)は、統合コストをLCOEに上乗せして個別の発電方式の優劣を議論する事自体が方法論として間違っているとしています。
(本記事は2025年3月時点の情報をもとにまとめています)
