
福島第一原発事故前、原発は54基ありましたが、事故後いったんすべての原発が停止しました。その後、再稼働した原発は14基です(2025年12月時点)。
東日本では、福島第一原発事故以降「原発ゼロ」の状況が続いていましたが、2024年10月、東北電力女川原発2号機(宮城県)が稼働しました。女川原発は東日本大震災で被災した原発で、福島第一原発と同じ沸騰水型の古い型の原発です。女川原発は半島の中ほどに位置しているため、万が一の事故の際、半島の先端部の住民が避難できなくなる恐れが指摘されています。
西日本では2024年12月、中国電力島根原発2号機(島根県)が再稼働しました。国内の原発で唯一県庁所在地に立地する原発です。
原子力規制委員会は、日本原電敦賀原発2号機(福井県)について、敷地内の活断層の存在が否定できないとして、再稼働を許可しない判断を行いました。規制委が「許可せず」の判断を行うのは、発足後はじめてのことです。2013年の段階で規制委の有識者会合が、直下の断層について「活断層の可能性が高い」と認定していたのですが、日本原電が独自の調査結果をもとに「活断層ではない」と主張し、審査が長期化していました。この間、日本原電によるデータ改ざんも発覚し、問題となっていました。
柏崎刈羽原発では地元同意が焦点に
2025年は東電柏崎刈羽原発(新潟県)6号機、7号機が再稼働するかどうかが正念場を迎えました。柏崎刈羽原発は、福島第一原発事故を起こした東京電力の原発です。電気は首都圏に送られてきていました。東日本大震災後の2012年3月以降、全7基が止まっていました。
東電が柏崎刈羽原発6号機、7号機の再稼働のために新規制基準に基づく審査を申請した際には、「東電は原発を運転する資格があるのか」が問われました。2021年、運転員のIDカード不正使用など、核セキュリティの杜撰な実態が発覚し、規制委員会は事実上の運転禁止命令を出しましたが、2023年12月、これは解除されました。
柏崎刈羽原発は、地震リスク評価、避難計画の実効性、テロ対策、核のごみなど多くの論点があります。花角知事は、再稼働の是非に関して「県民に信を問う」としていましたが、その具体的な手法を明らかにしてきませんでした。こうした中、2025年3月27日、再稼働の是非を県民投票によって決めることを求める14万3,196筆の署名が、県議会に提出されましたが、議会はこれを否決しました。花角知事は、11月21日、再稼働を容認し、県議会もこれを追認しました。
トラブルが多発する原発
原発では事故やトラブルが多発し、データ改ざんや隠ぺいなどのスキャンダルも生じています。技術的にも社会的にも不安定な電源です。福島第一原発事故前の1997~2010年までの事故故障等の報告件数は267件にものぼります。
2004年には関西電力美浜原発(福井県)3号機で、2次系配管が経年劣化で破断し、熱水や蒸気が噴出して11名が死傷する事故が発生しました。
最近では、関西電力大飯原発(福井県)3号機で、1次系配管に長さ60mmの亀裂がみつかったり、関西電力高浜原発(福井県)で蒸気漏れや伝熱管破損が生じたりするなどのトラブルが報告されています。
北陸電力志賀原発(石川県)1号機は、1999年、臨界事故が発生しました。ところが北陸電力は日誌を改ざんして国に報告せず、事故は8年間にわたり隠ぺいされていました。
2024年元日の能登半島地震の際、志賀原発は停止中でした。1号機では震度5のゆれを観測し、4メートルの津波が襲来しました。変圧器が破損、約2万リットルの油漏れ、外部電源5回線のうち2回線が使えなくなったことなどが発表されています。
(本記事は2025年12月段階の情報をもとにまとめています)
